もくじ
例えば転職サイトなどで求人を探す時に、「契約社員」も「正社員」も似たようなものとして検索をかけたりしていませんか?
契約社員と正社員は、同じ「社員」という名前がついてはいるものの、そこにはさまざまな違いがあります。
人それぞれ状況や考え方は違うため、どちらの雇用形態が良いとかは一概には言えませんが、就活をする上でその違いを知っておくことは非常に大切です。
そこで今回は、契約社員と正社員との違いやメリットデメリットなど、「契約社員とは何か」について詳しく解説します!
契約社員ってどんな社員?企業の“雇用期間”は一律同じなの?
契約社員を一言で説明すると「雇用期間に定めがある社員」です。
ただし、契約社員も正社員も法律上の定義があるわけではなく、その待遇や社内での立ち位置も会社によってかなり異なります。
特に違いがあるのは契約期間で、契約社員の場合は「有期雇用契約」となり、契約期間は労働契約法により最長3年と定められています。
そのため、1年契約の場合もあれば、6ヶ月といった短期契約の場合もあるのです。
もちろん短期契約であっても双方が更新を希望すればその後も雇用関係を継続することはできます。
反対に、会社側が更新を希望しなければ、いくら社員が更新を希望しても雇用関係はそこで終了してしまいます。
また、正社員や契約社員と同様、アルバイトやパートも実は法律上の定義がありません。
しかし、労働日数や労働時間、業務の責任については契約社員の方が正社員に近く、給与形態についても契約社員は正社員と同様に月給制が多い傾向にあります。
契約社員で5年働くとずっと働ける?
平成24年に労働契約法が改訂されました。
これによって、同一企業で5年以上契約社員として働いた場合、無期労働契約への転換を申し込むことができるんです。
無期労働契約が適用されると、契約期間が無期限となるので契約の更新が打ち切られるということはなくなります。
無期労働契約になりますが、正社員に切り替わるのではなく、待遇は契約社員のままです。
なので、福利厚生の利用や昇給・昇格といった機会は正社員と同じではありません。
契約社員と正社員の違いってなに?
先にお伝えしたとおり、契約社員も正社員も法律上の定義があるわけではないため、雇用期間の有無以外の違いというのは会社によって異なります。
なので、一般的に言われている正社員と異なる点・正社員と変わらない点について紹介していきますね。
正社員と異なる点
まず、契約社員が正社員と異なる点として多いものは以下のとおりです。
- 雇用期間
- 勤務地
- 賞与
- 昇進・昇給
- 福利厚生
- 退職金
雇用期間
正社員が雇用期間に定めのない「無期雇用契約」であるのに対し、契約社員の場合は雇用期間が定められている「有期雇用契約」となります。
なお、労働契約法により、一度の契約につき雇用期間は最長で3年までとなっています。
勤務地
正社員の場合は特段の決まりがない限り転勤や異動の可能性がありますが、契約社員の場合は原則として契約時に指定された勤務地から転勤になることはありません。
賞与
賞与に関しては会社によって差がありますが、一般的に正社員の場合は年1~2回賞与(ボーナス)が支給されることが多い一方、契約社員に賞与が支払われるケースは珍しいといえます。
また、賞与が支給される場合も「一時金」といった名目で、正社員よりも少額である場合があります。
昇進・昇給
正社員の場合、社内評価制度により定期的に査定が行われ、仕事の成果や役割に応じて昇進や昇給があることが多いですが、契約社員の場合は契約期間中の昇進や昇給はありません。
ただし、契約更新時に査定が行われ、次回契約から昇給したり、役割が変更になることはあります。
福利厚生
法律上は契約社員も正社員同様に福利厚生を利用できることになっているものの、契約内容により正社員が利用できる制度を一部利用できないことがあります。
契約社員の場合は住宅手当の支給がなかったり、産休や育休制度が利用できないケースもあるので注意が必要です。
退職金
そもそも退職金制度は義務ではないため、正社員であっても退職金がない会社もあります。
しかし、正社員に退職金制度を設けている会社であっても、契約社員については制度の対象外としているケースは少なくありません。
正社員と変わらない点
続いては、契約社員でも正社員と条件が変わらない点についてです。
- 雇用主
- 勤務時間・勤務日
- 給与
- 休日・休暇
- 社会保険
- 解雇予告
雇用主
契約社員は勤務先企業の直接雇用となるため、雇用主については正社員と同じです。
なお、派遣社員の場合の雇用主は勤務先企業ではなく派遣会社となります。
勤務時間・勤務日
勤務時間や勤務日については基本的に正社員と同じ場合がほとんどです。
ただし、契約時の取り決め次第では勤務時間や勤務日を正社員と異なる内容にできるケースもあります。
給与
原則として、契約社員であっても正社員と同じ職務にあたるのであれば基本給は同じ額とすることとなっています。
また、契約社員は正社員と同様、月給制であることが一般的です。
休日・休暇
休日や休暇については契約社員も正社員と同じ条件で付与されることとなっています。
有給休暇についても、所定労働日の一定条件を満たしていれば正社員と同様の日数が付与されます。
社会保険
契約社員は正社員と同様に社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)に加入することができます。
反対に、1週間の所定労働時間が20時間以上などの条件を満たしている場合は強制的に加入することとなり、加入しない場合は違法となります。
解雇予告
労働基準法により、企業は正社員と同様に契約社員に対しても解雇の30日前に予告する義務があります。
なお、契約期間内に正当な理由がなく解雇されることは法律で認められていませんが、解雇の30日前までに解雇予告がされなかった場合は、契約社員も正社員と同様に解雇予告手当を受け取ることができます。
契約社員のメリット・デメリットの比較
契約社員は有期雇用契約であるが故に「安定して働けない」というイメージを持たれがちですが、だからといって今の時代「正社員なら一生安定して働ける」というわけでもありません。
大切なことは、それぞれの雇用形態の特徴を理解した上で自分に合った働き方を見つけることです。
以下の表をもとに、契約社員のメリット・デメリットについて詳しく解説していきますね。
契約社員のメリット | ・希望する勤務地で働ける ・希望する職種で働ける ・責任の重い仕事を任されにくい ・ワークライフバランスがとりやすい ・副業が可能なケースが多い ・正社員と同等の給与を得ることが可能 |
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契約社員のデメリット | ・雇用が不安定 ・昇給や昇進のチャンスが少ない ・ローンの審査が通りにくい ・福利厚生の範囲が狭くなりがち ・長期的な収入が低くなりがち ・裁量のある仕事は少ない |
契約社員になるメリットの解説
契約社員の最大のメリットともいえるのは、契約次第で自分の希望する働き方ができるという点です。
正社員の場合は原則として会社の辞令に従わなければならず、自分が希望していない部署への異動や転勤を命じられる可能性があります。
一方、契約社員であれば契約時に職種や業務内容、勤務地などの取り決めを行うため、取り決めた内容以外のことを求められることはありません。
そのため、例えば契約時に勤務時間を正社員よりも短くしたいと申し出、それが認められた場合にはその勤務時間帯で働くことも可能です。
さらに、契約社員の場合は有期雇用契約のため業務の責任を負う範囲が限定的であったり、副業が認められているケースも多いです。
また、先にお伝えしたとおり、契約社員に賞与が支給されるケースは多くないものの、正社員と同じ職務にあたるのであれば、基本給は正社員と原則同じです。
全ての契約社員に共通して言えるわけではありませんが、契約社員は勤務できる期間が決められている分、正社員よりも契約時に交渉ができるというメリットがあります。
そのため、長期的な勤務に重きを置いておらず、自分のスキルを活かしたいという人や、一時的であってもワークライフバランスのとれた働き方を重視したいという人にとっては契約社員は働きやすい雇用形態といえるでしょう。
契約社員になるデメリットの解説
契約社員の最大のデメリットは、雇用や収入が不安定という点に尽きるでしょう。
雇用に関しては契約社員として働き始めても、同じ企業で5年以上働くことができれば無期雇用契約に切り替えることが可能です。
しかし、逆を言えばそれまでは正社員になれるかどうかはわからず、継続的な収入も見込めないといえます。
そのため、社会的信用も正社員よりも低く、住宅ローンのような長期のローンの審査においては通りにくい傾向があります。
また、契約社員の場合は賞与が支給されないケースが多く、どれだけ個人の成績や会社の業績が良かったとしても、契約内容以上の給与は支給されず、昇進もありません。
働きやすいというメリットはあるものの、長期的にその状態を継続できるかについては不透明な部分も多く、賞与がないケースが多いが故に長期的収入は正社員よりどうしても低くなってしまいます。
つまり「この期間は絶対に同じ場所で働きたい」「絶対に活かしたいスキルがある」といった目的がなく契約社員として働いてしまうと、メリットよりもデメリットの方を強く感じてしまう可能性があるでしょう。
契約社員で応募する時の注意点
ここまでお伝えしてきたとおり、契約社員ということはすなわち雇用期間が定められている「有期雇用契約」を意味します。
しかし、それ以外の条件については企業や契約内容によって異なる部分も多いため、応募の前や面接の際などには、最低でも次のポイントについてきちんと確認をしておきましょう。
1.契約期間の詳細
最初にお伝えしたとおり、契約社員の場合は労働契約法により一度で最長3年までの契約が可能です。
しかし、あくまでもこれは「最長」の契約期間であり、具体的な契約期間は契約内容によって異なるため注意が必要です。
募集内容に契約期間について明記されていない場合は、契約期間はもちろん、契約更新の予定の有無、契約更新の回数に上限はあるか、契約更新で5年が経過した際はどうなるかといったことも確認しましょう。
2.正社員登用制度についての情報
契約社員からのスタートであっても、将来的には正社員を目指したいという考えがある場合は、その企業に正社員登用制度が設けられているかを確認しましょう。
ただし、仮に正社員登用制度が設けられていたとしても、条件の厳しさなどから実際に正社員に登用されることは稀というケースも存在します。
そのため、正社員登用制度が設けられている場合には、登用実績や、登用のための条件といった情報も詳しく聞き出しましょう。
3.労働条件通知書の内容
晴れて内定が出た場合は、企業側から契約前に「労働条件通知書」というものが提示されます。
労働条件通知書には、契約期間をはじめ、勤務地や業務内容、勤務時間、休日、給料、退職や解雇の条件といったことが記載されていますので、内容が納得できるものであるかをきちんと確認しましょう。
曖昧な表現があるなど、気になる点があった場合は、自分で一方的に解釈せず、細かい点まで企業側に確認をし、クリアにしておくことが大切です。
4.生計が立てられる給料であるか
正社員と同じ業務内容の場合は、「同一労働同一賃金」の導入により契約社員も正社員と同等の給料を受け取ることができます。
しかし、勤務時間が正社員より短く設定されていたり、賞与や一時金が支給されないケースもあるため、実際に支給される予定の給料の額で生活ができるかどうかを確認しておくことも大切です。
もし予定されている給料で生計を立てることが難しいのであれば、副業をするという方法も考えられますので、副業が可能かについても確認をしておきましょう。
5.長期的なキャリアプラン
繰り返しになりますが、契約社員は有期雇用契約となるため、契約期間が満了になる際には必ず今後のキャリアプランについて考えることとなります。
契約社員として働きながらスキルを磨いた上で正社員を目指すのか、プライベートな予定との兼ね合いで短期間だけ働きたいのかなど、さまざまな選択肢があるはずです。
とりあえず契約社員として働いてはみたものの、契約満了時に路頭に迷わないようにしなくてはいけません。
長期的なキャリアプランを見据えた上で、本当に今、契約社員として働くことがベストなのかについても今一度考えましょう。
結論:できるなら契約社員より正社員がおすすめ
契約社員には、正社員では募集されていない業種や職種で働くことができたり、ワークライフバランスがとりやすいなどのメリットがあります。
また、企業によっては契約社員から正社員になれる可能性もあるでしょう。
しかし、契約社員から正社員になれない企業もあるため、給与の面や福利厚生、雇用の安定性などを考えるのであれば、最初から正社員を目指す方が賢明ともいえます。
最も避けたいことは、明確なキャリアプランもなく、なんとなく契約社員を選んでしまうということ。
基本的に正社員を目指すのであれば、就活を始めるタイミングは早ければ早いほど有利です。
なんとなく契約社員のまま働き続け、3年後に「やっぱり正社員になりたい」と正社員を目指して就活を始めたものの、3年前よりも不利な状況になっている、ということも大いに考えられます。
もし今、「正社員として働くことに迷いがある」「自分に合う仕事がよくわからない」など就職のことでお悩みなら、一度「就活のプロ」と一緒にキャリアの見直しや自己分析をしてみることをおすすめします。
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