元第二新卒・既卒社長インタビュー

社長も昔は既卒・第二新卒だったVol.4|末吉 剛士(株式会社マチトビラ)

Shotaro Kawabata

社長も昔は既卒・第二新卒だったVol.4|末吉 剛士(株式会社マチトビラ)

社長プロフィール

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1980年鹿児島市生まれ。立命館大学卒。学生ベンチャーでの中古書業、環境系フリマガ「サステコ」の発行、株式会社リクルート勤務を経て鹿児島にUターン。2011年にマチトビラを設立。鹿児島大学非常勤講師、志學館大学非常勤講師、鹿児島国際大学外部講師でもある。

就職するよりも「自分で何かやりたい」って気持ちが強すぎた大学8年間

新卒ではどのような就職活動を行っていたんですか?

実は新卒では就職活動らしい就活はやっていませんでした。大学時代から周りには「何かを自分でやろう」としている奴らが多かったので、自然と自分も企業に就職するというよりは、自分で何か事業をやってやろうと思う気持ちの方が強かったですね。

大学時代に2つくらい事業を立ち上げました。一つ目は大学の授業で使う教科書の古本販売でした。簡単に言うと、学内での教科書版ブックオフといったようなものです。そして二つ目は環境教育のためのフリーマガジンでした。

何で二つも事業をやろうと思ったんですか?

一つ目の教科書の古本販売は結構ニーズがあって利益も上がっていたんですけど、ちょっと自分がやりたいこととは違うかなと。事業の意義ってところなんですかね。もっと人の役に立つこと、世の役に立つことをやりたいなと。あと、古本事業は自分がやっているというよりも他の人が立ち上げた事業に参画したって形だったので、自分で立ち上げたいなと。

ということで、新卒では就活らしい就活はやっていないんです。でも、大学に8年も行ってたんで、普通の就活しても内定もらえないんじゃないかなって思いましたよね。何はともあれ、大学では色んな人と会うこともできたし、色んなことが経験できたので、最高の経験を積ませてもらいました。

起業してからサラリーマンになるっていう、ちょっと変わった経歴なんです

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一度はサラリーマンとして働いていますが、どうして事業を辞めてしまったんですか?

自分で立ち上げた事業はやっていて楽しかったんだけど、採算が取れなかったんですよ。事業としては意義のあるものだったんだけど、利益が出ないと事業は継続できないってことを思い知ったんです。だから、「利益を産み出すためのスキル?」みたいなものを身につけたいと考えるようになったんです。

結果として、一度はサラリーマンとして会社に入ってオーソドックスな営業をやってみて、利益を産み出す力、つまりは営業のスキルみたいなものを身に付けたいと思いました。そこで、受けた会社がリクルートだったわけ。他には楽天なんかも受けたんだったかな。その当時の自分は、勢いがある会社、業績が伸びている会社であれば、営業力はあるだろうと考えたわけです。

どうしてリクルートを選んだんでしょう?

結局、リクルートしかその時に拾ってくれなかったんですよ。だから、考える余地もなく入社しました。今思えば、当時の自分は事業を立ち上げて運営していた経験はあったけど、大学8年いってるし、民間企業での経験はゼロ。よく採用してくれたなぁと思う。

リクルートではゼクシイ事業部で広告掲載を獲得してくる営業職として働いていました。広告掲載を獲得するために、飛び込み営業からルート営業まで一通りはやりましたね。この時の経験は結構その後の人生に影響を与えてくれているように感じてます。

仕事を辞める時は自分の「最高の状態」で辞めた方が絶対にいい

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どうしてリクルートを辞めようと思ったんでしょう?

リクルートで3年弱働いていて思ったことは、確かに営業力は身に付いているように感じたけど、売上とお客さんのメリットが比例してないんじゃないかな〜と感じるようになっちゃって。この仕事をずっと続けて行くっていうイメージが持てずに退職を考えるようになりました。

もう一つ影響があったと言えば、その当時に地元の父親が新しい事業を始めたんです。だけど、あんまりうまくいかずに「もう新しいことはやらない…」なんて状態になってしまって。

そんなことも影響して、挑戦する人たちが「失敗しないように」「敗してもまた次に挑戦できるように」サポートするっていうことを仕事にできないかな〜と考えるようになったんですね。

すんなり辞められたんですか?

そりゃあすんなりは辞められないですよ。仕事を辞めようとしていた自分に先輩が言ってくれた一言によってちょっとだけ退職のタイミングが遅れたんですね。

「辞めてもいいよ。でも、お前は現状が嫌だから辞めようとしてないか?辞めるんだったら最低の状態じゃなくて最高の状態でカッコよく辞めろ!」

先輩に言われたアドバイスを守って、この後しっかりと結果を出してカッコよく辞めたんですね。今思えば、この時にリクルートでの仕事をやり切ったからこそ、次の挑戦に向かって全力を注げたんだと思う。辞める時ってどうしても嫌〜な気持ちで辞めてしまうと思うんですよ。でも、最後の最後にちゃんとケジメを付けるためにも全力で頑張ってから辞めた方が良いと思う。自分の経験からもお勧めしたいです。

地元の雇用問題だからこそ、地元出身者である自分が解決したい

どうしてまた起業しようとしたんですか?

リクルートを辞めて、地元の鹿児島にUターンして来ました。そこでNPOの経営を助けるNPO法人に所属することになったんです。その時に色々な地元企業の社長たちと会ったんだけど、これがみんな輝いてたんですよ。東京でも色々な会社の社長と会ってきたんだけど、鹿児島の社長たちの方が生き生きしてたんですよ。

社長たちがこう言ってたんです。「鹿児島のために、鹿児島のために」って。それで自分がやることは決まった。鹿児島のために鹿児島の企業を応援するのが自分の仕事だって。

鹿児島の企業の一番の課題は事業を成長させる人材が不足していること。優秀な若者はどうしても東京とか都会に出て行ってしまう。だからこそ、学生時代から鹿児島の企業の魅力を知って、鹿児島の企業で働こうと思ってもらうことが大事じゃないかって。

それで今のマチトビラを始めたんですか?

そうそう。鹿児島の企業を応援するために始めたのが今の仕事の「マチトビラ」っていうインターン事業。鹿児島の大学生と鹿児島の企業を長期インターンという形でしっかりと結び付けることを目的としています。

短期的なインターンでは企業の魅力が学生に伝わらないだけでなく、企業も学生をお客様扱いしてしまう。だから、インターン期間は最大6ヶ月と長期間にしたところがこの事業の特徴でもあるんです。時に企業の経営課題を学生といっしょに考えるという過程を通じて、学生が事業に魅力を持ってもらうだけじゃなく、その企業に愛着を持ってくれる時もある。

これからは大学生のインターンだけでなく、新卒学生を鹿児島の企業に紹介していく事業を展開する予定。インターン以上に就職に近いところで事業を展開することで学生と企業のマッチングをもっと高めていこうと思ってるんです。

自分が選んだ道が一番いいんですよ

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既卒・第二新卒の方へ応援メッセージをお願いします

僕は大学に8年間行って、事業をやってはいたけど職歴が付いていなかったので、「既卒」ってことになると思うんだけど、既卒・第二新卒の人たちにこれだけは言っておきたい。

「どんな選択肢でも自分が選んだ道が一番良かったって思った方がいい」

どれだけ考えても全ての選択肢で正解を選ぶことなんてできない。でも、自分が選んだ選択肢が最良だったんだって考える、自分に思い込ませることで気持ちがポジティブになる。それが大事なんです。

悲壮感が漂っている人にはチャンスはやってこない。だから、選択するときには悩んでいいけど、一度決めたらそれが最良の選択だったんだって自分に言い聞かせるようにして欲しい。そうするだけで今の状況はちょっとずつではあるけどいい方向に行くと思うから。

末吉さんの話を聞いてみて

見た目からも伝わるように話しやすい人でした。インタビュー中も丁寧に言葉を選んでくれて、何度ももっと自分の意図がよく伝わるように言い直してくれたことが印象的。丁寧に言葉を選ぶ人はコミュニケーションの重要性を本当に理解している人なんだなと感じました。

末吉さんは学生時代からちょっと変わった人たちと付き合っていた影響もあって、考え方、経歴ともに普通とは違う。だからなのかわからないけど、「これがバイタリティというやつね!」と思うほど、何を聞いても答えにブレがない。迷いがないから動じないのかなとも感じた。

鹿児島出身者としては、こんな先輩が鹿児島にいれば、鹿児島はもっと盛り上がるはずだと強く感じた。自分たちも東京で働きながらも、いつかは鹿児島に何か恩返しがしたいと思ってる。その内、末吉さん、マチトビラと何か事業で絡める日を夢見て鹿児島を後にするのだった。

(ちなみに、鹿児島空港の前には上野公園よりもデカい西郷さんの銅像がある。だけど、意外と知っている人は少ない。)

取材協力:株式会社マチトビラ

Shotaro Kawabata

株式会社UZUZ専務取締役。元第二新卒。鹿児島出身で高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学院へは進学せず、住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)に入社。高校の同級生である今村からの誘いと自身のキャリアチェンジのため、UZUZ立ち上げに参画する。

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