既卒の就活体験談Vol.53|国籍という逆境を跳ね返した日本育ちの既卒ベトナム人

既卒の就活体験談Vol.53|国籍という逆境を跳ね返した日本育ちの既卒ベトナム人

生まれも育ちも日本、でも国籍はベトナム

トンタラン(偽名)さんとは、登録後の電話対応から確か私だったように記憶している。電話する前にはベトナム国籍ということで、求人紹介がかなり難しいということもあり、日本の採用マーケットの話を気分を害することなくどう話そうかと考えていた。

しかし、電話してみると、「完全に日本人だろ…」と思ってしまうくらい日本語がペラペラ。しかも、南国生まれのせいか、本人の性格のせいかわからないが、底抜けに明るい。話していてスゴく好感の持てる好青年だった。

ただ、好青年だからと言って日本の採用マーケットはそんなに甘くない。今までの紹介実績では、外国籍人材の成功事例は何と全くのゼロ。書類選考でほとんどがお見送りになるし、書類選考が通過したとしても面接で日本語のコミュニケーションに難ありと判断されてしまい、ことごとく撥ね返されてきた。

トンタランさんも例に漏れず、新卒の頃から約60社の選考を受けてきたが、その全ての会社で不採用になっていた。一次面接は持ち前の明るさとコミュニケーション能力で通過しても、役員面接になると敬語のたどたどしさから不採用になっていた。

内定を取るためにやったこと

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敬語を意識しながらも固くならないよう話す

本人にも自覚があったように敬語のたどたどしさは足を引っ張っていたよう。ただ、私が着目した点は、敬語をあまりにも意識しすぎてしまい、他の修正点が疎かになっていることでした。なので、敬語というよりも丁寧な言葉使いを意識してもらいながら自然なコミュニケーションを意識してもらいました。

何事もそうなんですが、一つのことを意識しすぎると必要以上にそのことを意識してしまい、練習通りできなくなることがよくあります。いかなるときにもバランス重視で平常心でやるってことが大事。

行き当たりばったりだった回答を事前に準備

トンタランさんの問題点は、実は敬語ではなくその回答の一貫性にあったのです。なまじ流暢にしゃべれるので、質問に対する回答をその場で考えて答えてしまっていました。なので、回答に一貫性が取れなくなることも多々ありました。(特に就活の軸からの志望動機へ繋げるあたり)

そこで、基本から忠実に準備するということで面接の基本的な質問に対する回答をまずはノートに書き出しました。そして、その回答同士の関係性をしっかりと整理していきます。そうすることで回答に一貫性が出て、面接ごとの結果のばらつきを失くすことができました。

事前に採用担当者へ国籍意外は「日本人」だと伝える

一番効果があったのはコレ。トンタランさんの一番の問題点は「国籍」が日本でない点でした。そもそも外国籍を採用していない企業では箸にも棒にもかかりません。なので、求人紹介と同時に採用担当者へ外国籍のエントリー可能かどうかを確認します。

そして、国籍に対する誤解を先に解いておくことも重要でした。トンタランさんへの印象を「ベトナム国籍の人材」から「日本生まれ日本育ちの国籍以外は日本人と同じ人材」へ変えておくことが重要でした。国籍から来る変な先入観を解いておくことで、結果として他の既卒の候補者と平等に評価してもらえました。

実は実家がベトナム料理屋として全国人気ランキング2位らしい

トンタランさんの就活は今までの苦戦が嘘のように、約10日で終了しました。戦績も2戦1勝1敗というイーブンの結果となりました。今回の就活サポートを通して、外国籍の就活で最も重要なことは、「外国籍に対するネガティブな先入観の有無」を確認することだと感じました。

全く就活と関係ないのですが、内定祝いの飲み会でトンタランさんの実家が全国人気ランキングの2位ということがわかりました。実家を継ぐっていう選択肢もあったのかもなと後々思いましたが、トンタランさんは将来性のあるITエンジニアとして働きたかったんだと思います。

今度、お忍びでトンタランさんの実家に行ってみようかな。国籍の違いから苦労することはこれからも多いと思いますが、持ち前の明るさで頑張ってくださいね〜!

Shotaro Kawabata

株式会社UZUZ専務取締役。元第二新卒。鹿児島出身で高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学院へは進学せず、住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)に入社。高校の同級生である今村からの誘いと自身のキャリアチェンジのため、UZUZ立ち上げに参画する。