映画「舟を編む」を観て感じた、人には誰しも一番輝ける場所があるということ

映画「舟を編む」を観て感じた、人には誰しも一番輝ける場所があるということ

「馬締君、右という言葉を説明できるかい?」

すごく綺麗な映画だった。一つ一つの台詞、所作、どれを取ってもしっくり来すぎているくらい綺麗にまとまっていた。久しぶりにいい映画を観たな、と思った。

ただ「まじめ」なだけの男、「馬締」

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主役の「馬締(松田龍平)」は出版社に勤務する、「まじめ」すぎる男。営業部に配属になっても、まったくうだつが上がらない。押しは弱いわ、口べただわで、全く売上を上げることができない。

そんな馬締に転機が訪れる。辞書編集部で主任の荒木(小林薫)が婦人の病気の看病のため、早期退職をするということで、荒木の代わりとなる人材として白羽の矢が立ったのだ。一見すると、不器用で何もできなそうな男でも、辞書編集で最も大事な「言葉を深く愛している」という点が荒木の目に留ったのだ。

自分の居場所、一生の仕事を見つけた馬締

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辞書編集部に異動になってからの馬締は、監修者の松本先生(加藤剛)、早期退職する荒木の辞書編集に傾ける熱意に少しずつ感化されていく。いつしか、辞書編集こそが馬締の一生を費やしてもいいと思える仕事になった。

編集初期には、一度は企画打ち切りという危機があったが、いつも適当に振る舞っていた同僚の西岡(オダギリジョー)が身を挺して辞書の企画を存続させる。自身の異動を受け入れる代わりに、辞書の企画を存続するように編集局長に直談判する。それにより、西岡は道半ばにして辞書編集の仕事から身を引かざるを得なくなる。

その後、約15年の月日を掛け、辞書は完成に近づいて行く。何度も危機を乗り越えながら辞書は完成に近づいて行く。一度はチームのメンバーが減ってしまったり、馬締のミスにより発売日に間に合わない恐れが出てきたときも、チームがよくまとまってその危機を乗り越えていく。

辞書の完成間近に、監修者として共に15年間辞書の編集に携わってきてくれていた松本先生に食道ガンが見つかる。何とか完成を急ぐ馬締であったが、遂に完成間近に松本先生は亡くなってしまう。葬儀の晩、滅多に感情を表に出さない馬締が泣く。

「間に合わなかった…」

この言葉の背景としては、一つの葛藤が深く絡んでいる。馬締のチェックが甘く、「血潮」という言葉が辞書から抜けてしまっていることが校正作業中に見つかる。この時、二つの選択肢があった。

一つは、「血潮」という言葉を追加し、予定通り校正作業を継続する。そうすれば、編集作業に大きな遅れは出ずに、発売日よりも大きく先行し、松本先生にも完成品を届けることができる。

もう一つは、校正作業を中断し、もう一度全ての言葉をリストと照合してから、校正作業に戻るという選択肢。一つの言葉が抜けているとうことは、他にも抜けている言葉があるのではないか、という可能性があるからだ。しかし、この選択肢を取ると、ガンに蝕まれている松本先生の生きている内に辞書の完成品を見せることはできないかもしれない。

しかし、馬締は即座に判断する。

「作業を一度中断し、全ての言葉を確認します。不完全な辞書をこの世に出してはいけないんです。」

結果として、この判断により辞書の完成を待たずして、松本先生は逝ってしまうのだが、ここに馬締の自分がやると決めた仕事に向き合う「まじめ」さが表れていたと思う。もし、馬締が松本先生のために不完全かもしれない辞書であっても、完成を優先してしまったとしたら、どうなっていたのだろう。きっと、松本先生はその辞書を完成品とは認めなかっただろう。

チームで情熱を傾けることができる仕事って、いい!

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不器用でも自分がやると決めたことをひたむきにやり切り続ける姿、「ものづくり」に携わるプロの姿を、チームで一つの目標をしっかりと持ってぶれずに目指し続ける姿がこの映画にはあった。校正作業を中断し、チーム全員で泊まりがけで辞書に抜けがないかチェックしているシーンでは、「これだよ、これ!これがチームで仕事するってもんだよな〜!」と心底羨ましく感じた。少しでも多く、こんな風にチームで仕事ができればと思わずにはいられなかった。

誰もが「一生を賭けてもいいと思える仕事」を探している。そんな仕事はすぐには見つからないかもしれない。馬締が出会った仕事は、すごく地味で、誰もやりたがらないと感じる仕事かもしれない。でも、そんな誰もやりたがらない、地味な仕事でも、情熱が湧いたのであれば、馬締のように魅力的な働き方ができる。

皆さんもいつかはわからないが、「一生を賭けてもいいと思える仕事」に巡り会えるかもしれない。そのためには、「まじめ」に毎日を生きる必要がありそうだ。一度っきりの人生が、少しでも面白くなるように、毎日「まじめ」に生きてみようと感じられる映画だった。

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Shotaro Kawabata

株式会社UZUZ専務取締役。元第二新卒。鹿児島出身で高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学院へは進学せず、住宅設備メーカーINAX(現:LIXIL)に入社。高校の同級生である今村からの誘いと自身のキャリアチェンジのため、UZUZ立ち上げに参画する。