既卒・フリーターのための業界解説

既卒のための業界解説|化学メーカーのビジネスモデルは?(化学メーカーVol.1)

UZUZ Writer

既卒のための業界解説|化学メーカーのビジネスモデルは?(化学メーカーVol.1)

「化学メーカーで働いて、新製品を生み出したい!」
「生涯通してエンジニア・研究者として生きていきたい!」
という声をよく聞きます。

資源に乏しいと言われる日本をこれまで支えてきたのは、まぎれもなく世界最高峰と言われている「科学技術」です。理系学生の減少が嘆かれている現在の日本において、このような声が聞けるのはうれしい限りですね~。

というわけで今回の記事では「化学産業に携わりたい!」といった方々のために、「化学業界のしくみ」「各メーカーの動向」「職種」について説明します。また後半部分では、「化学メーカーに受かるための最低条件?」「どういった能力を持っていると選考上有利になるか?」についても、書いていきたいと思います。

それではさっそく化学メーカーのお仕事と近年の動向についてみてまいりましょう!!

化学業界の仕組み

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化学とは文字通り「化ける科学」です。

化学メーカーは、ある原材料を仕入れ、それに対して合成・分解・重合反応といった化学変化」あるいは分離・精製操作」などを行うことで価値の高い製品を作り出し、それを顧客に販売することで利益をあげています。

業界自体は、石油、ガス、繊維、紙・パルプ、電子材料などの種々の分野に細分化できますが、基本的には上述のフローに従って活動していると考えて頂いて大丈夫です。

とはいってもこれだけじゃあイメージが湧きづらいと思います。ですので皆様にとっても身近だと思われます旭化成の「サランラップ」の製造プロセスを例にとって、化学メーカーの仕事フローについて簡単に説明したいと思います。

化学メーカーの仕事フロー

「サランラップ」は、「ポリ塩化ビニリデン」と呼ばれる物質を主な構成成分としており、これを薄膜状(フイルム)に加工したものを指します。

では「ポリ塩化ビニリデン」はどのようにして造られるのでしょうか?
下記に簡単な製造フローを示します(カッコ内は操作名)。

【ポリ塩化ビニリデンの製造フロー】
ナフサ (粗製ガソリン)→ (精製)→ エチレン → (塩素化反応) → 塩化ビニリデン → (重合反応) → ポリ塩化ビニリデン

上記のように、大概の化学製品は3つ以上の化学的な操作を必要とします。そしてそれぞれの化学的操作(プロセス)には、それぞれ数億から数十億円規模の特大装置と莫大な量のノウハウを要します。

特大装置を年中通して安定的に最適条件で稼働させることは生半可なことではありません。

化学メーカーのワーカーの方々は、頻繁に発生する工場トラブルに対応し、社会のニーズに応じた量の製品を製造することで、人々の生活を支えているのです。

化学メーカーの仕事フローについて理解されたでしょうか?
次は化学業界の細かい種類について説明していきます。

化学メーカーの種類とそれぞれの動向

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様々な化学メーカー

  • 石油、ガス                [JX日鉱日石エネルギー、出光興産]
  • 高分子(フイルム、繊維、電子材料など) [富士フイルム、東レ、帝人、宇部興産]
  • 無機材料(ガラス、セメント)      [旭硝子、三菱マテリアル]
  • 生活用品(洗剤、化粧品など)      [花王、ユニ・チャーム、P&Gジャパン]

上記のリストでは、それぞれの分野に対応する主要企業を挙げさせて頂きましたが、「基本的にどの化学メーカーも複数の分野をカバーしている」と考えて頂いて大丈夫です。(三菱化学や三井化学などの財閥系化学メーカーはほぼ全分野をカバーしています)

とは言っても各々の企業にそれぞれ得意分野があるので、化学の分野の中でも「繊維事業に携わりたい!」、あるいは「生活用品を開発したい!」など特定の希望がある方は上記リストを参考にしてください。

それでは、前置きはこれまでにしておいてそれぞれの業界の動向についてみていきましょう。

1. 石油、ガス業界は「脱石油資源」のための研究を進行中

石油ガス化学メーカーは原油を精製・改質し、石油製品として販売するメーカーであり、主要企業としては、JXホールディングス出光興産昭和シェルなどが挙げられます。

ガソリンをはじめとする石油製品の国内需要」は、少子高齢化や地球温暖化対策により減少傾向」にあるため、今後は業界として苦しい状況に置かれてくるであろうと言われています。

また、石油メーカーの得意分野でもある石油製品「エチレン」は、シェールガス革命によって低コスト化が進んでおります。従って、各石油関連製品が減産」に追いやられるなど、業界として不安材料が尽きない状態であると言えます。

このような状況を打開すべく、石油メーカーのリーディングカンパニーであるJXホールディングスは、早急に打開策を打ち出しました。JXは「脱ナフサ依存」の対策として石油製品以外を対象とした高付加価値材料の研究開発(水素エネルギーなど)に注力しており、この成果次第で今後の巻き返しが大きく期待できると言えます。

また投資額の規模は若干小さくなりますが、出光興産や昭和シェルなども「脱石油資源」をモットーに研究開発に尽力している段階です。まさに業界として過渡期にあると言えますね。

この業界の動向は、国家レベルのエネルギー事情に多大な影響を与えるため、一般社会との関わりも非常に大きいと言えます。日頃から日経新聞を読むなどして、是非ともフォローしておいてください。

2. 大手の高分子メーカーは多方面に事業を展開

高分子ってなんだ?と思われるかもしれませんが、これは簡単にいうと「プラスチックフイルム繊維」などの元となる物質のことを指します。

皆様の身の回りにある買い物袋PETボトル写真用フイルム衣服などは、高分子を特定の形に加工したものです。(余談ですが、PETボトルとポリエステル繊維は、化学的には全く同じ物質です)

高分子メーカーは、高分子の元となる原料を調達し、製造(合成・加工)および販売することで収益をあげています。主要企業としては、富士フイルム日東電工東レ帝人宇部興産などが挙げられますね。

日本の産業は高度経済成長時から「高分子化学」を得意分野としていました。上記のような背景から、富士フイルムや東レなどの老舗名門メーカーは21世紀以前は各々のコアビジネスで安定収益を上げていました。(富士フイルム→写真用フイルム、東レ→アクリル・ポリエステル繊維などの汎用繊維)

一方、近年ではデジタルカメラの台頭や、原料の高騰などが引き金となりフイルム・汎用繊維の国内需要は、大幅に縮小しました。

ただし、富士フイルムや東レなどの企業は、これまでに培ってきた化学の知見を有効に使い「早くから事業の多角化」に取り組んできたため、収益基盤のシフトが良好に進行し、現在でも好調経営を維持しております。(富士フイルム→化粧品、医薬品;東レ→炭素繊維などの高機能性繊維)

今後は機能の優位性を活かした安全・安心や医療・衛生といった付加価値を求められる分野で、新たなビジネスモデルを確立できるかが課題となってくるでしょう。(水処理ビジネス、COを原料とした材料開発、など)

3. 無機材料は海外進出へシフトチェンジ

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無機材料とは、簡単に説明するとガラスセメントなどの金属でもなく高分子でもない材料のことを指します。無機材料メーカーの主要企業としては日本板硝子旭硝子セントラル硝子太平洋セメント宇部三菱セメントなどが挙げられます。

ガラス業界は、自動車用・建築用需要が低調であるため、全体的に業績が伸び悩んでいる状況です。業績回復を回復させるためには「グローバル化」が必須であると言えるでしょう。

この問題に対して旭硝子は早々に手を打っており、2011年のブラジル進出を皮切りにシンガポールなどのアジア諸国への海外進出を推進している段階です。また、日本板硝子やセントラル硝子なども非日系の新規ユーザー開拓に拍車をかけており、今後も海外生産を拡大させていく方針をとっている模様です。

一方セメント業界は、被災地復興や減災工事などにより、国内需要は今後数年ピークが続くことが期待されています。また、原・燃料として産業廃棄物を活用するなど環境ビジネスを収益柱に育て上げており、多方面で収益が上げられるようになりました。今後も安定的な成長が期待できる業界であると言えます。

4. 生活用品は海外販路の拡大をメインに動いている

皆様が日々使用されている洗剤シャンプーなども化学の範疇に入ります。

上記のような生活用品を製造・販売しているメーカーを生活用品メーカーといい、代表例としては花王ユニ・チャームP&Gジャパンなどが挙げられます。

これまで紹介してきた会社よりも皆様にとって馴染み深いのではないでしょうか?

それもそのはず、一般的にB to C企業の方が「広告費にかける額が大きい」こと、また実際に「店頭で製品を目にすることが多い」ことから、一般消費者に対しての知名度が高いのです。

さて、業界の最近の動向ですが、国内消費の低迷、原材料高やリーマンショックの影響などにより全体的に業績が低迷しています。

このような状況を打開すべく各生活用品メーカーは海外販路の拡大」を狙っています。

業界首位の花王は中国などの新興国開拓に意欲的で、そこを足がかりにアジアでの販売網拡大を図っております。また、ユニ・チャームはインドネシアなどのアジア諸国を中心に、中東、ロシア等へ展開中です。

業界の性格上、新商品開発よりも、販売網の開拓に費用をあてたほうが売上向上につながることから研究・開発職に携わりたいという方よりは、マーケティング」や「サプライチェーンマネジメント」に携わりたい方に向いている業界であると言えます。(余談ですが、P&Gはアジアにおける研究拠点をシンガポールに移しているため、研究職に内定すれば一年目からシンガポール勤務になります)

次回は化学メーカーの職種について

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次回は化学メーカーの職種について説明します!!それでは!!
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